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リフォームやリノベーションの場合の設計料金の考え方

みなさんこんにちは。アトリエカレラの柿山です。

最近はマンションや戸建てをフルリノベーションして、古いものを長く使用するという傾向が一層強まってきた印象があります。とても良いことだと思っています。

先日、設計料金についてのお問い合わせを頂くことがございました。リフォームやリノベーションの場合でも最低設計報酬額は200万としているのか、というご質問でした。

ホームページ上で公開している設計報酬額の考え方につきましては、「一般住宅のご新築」に関わる設計報酬額とさせて頂いておりますので、リフォームやリノベーションの場合には最低設計報酬額という考え方は該当致しません。

設計報酬額が一定の割合でない理由

リフォーム工事やリノベーション工事の場合に「何故、報酬額が一定の割合ではないのか」とお思いの方もいらっしゃるかと思います。それは設計難易度が工事金額と比例するとは限らないからです。

「防音室改修工事」と、「キッチン・浴室等水回りリフォーム工事」の2つの工事例を挙げてご案内差し上げます。

ex.1- 防音室改修工事

「防音室改修工事」の場合には、防音のレベルによって壁や床、天井や窓まわり、換気扇などの仕様も異なります。床や壁や天井は何重にも特殊層を重ね、既存のお住まいレベルに合わせた内容を検討して設計して参ります。ドアについても防音用ドアを採用致しますし、窓や換気扇についても同様です。照明計画なども行います。改修範囲としては、見た目こそコンパクトではありますが、ここに掛かっている設計や工事量は実質面積の2~3倍あたりの労力として計上できるレベルになります。

ex.2- キッチン・浴室等水回りリフォーム工事

次に「キッチン・浴室等水回りリフォーム工事」の場合には、キッチン・浴室を撤去し新しいキッチン・浴室を設置しなおせば工事は終了です。実際にはそれに伴って壁や床の補修に配管工事等は発生しますが、工事金額のほとんどが機器代金だったとするとどうでしょうか。設計の労力としては然程掛からない計算となります。

設計難易度が異なる

これら2つが、どちらも工事金額300万円だったとすると、いかがでしょうか。「防音室改修工事」と「キッチン・浴室等リフォーム工事」で工事金額が同じなのに、設計難易度が大きく違いますよね。それなのに同じ設計報酬額というのはあまり現実的ではないということが言えると思います。

よってリフォームやリノベーションの場合には、工事金額によって一律〇〇円というのは言えないのです。むしろ、「一律○○円で請け負います」というところがあればちょっと疑わしいと思っても差し支えないかと思います。機器の販売や工事を一括して行うという業者様の場合には、相応のカラクリがあるのでしょうけれども。

一応の目安

ちょっと脱線しかけましたが、弊社ホームページではわかりくかった「リフォームやリノベーションの場合の設計料金の考え方」についてできる限りご説明させて頂きました。いかがだったでしょうか。

実際これらには相場がございません。工事内容がお客様の案件毎に様々だからです。ですが、一応の目安として例えばリビングとキッチンの間取りを変えてリノベーションするといった内容ですと概ね工事金額の11%から12%程度をご用意くだされば宜しいかと思います。

新築時よりも難易度は高い

また、マンションのフルリノベーションに至っても同様です。リノベーションなどの場合には制限がある中での計画となりますので、実は新築時よりも設計や監理の労力は増え、難易度も上がるのです。概ね11%から13%を目安にお考え頂けると宜しいかと思います。1000万円の工事内容ですと110万円から130万円といった感じとなります。

長崎の地域相場を考慮しますと、それ以下となる場合も十分考えられますので、もしリノベーションなどをお考えの皆様は一度お問い合わせいただきたく存じます。

よろしくお願い申し上げます。

アトリエカレラ 柿山

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