みなさんこんにちは。アトリエカレラの柿山です。
先日のブログで『住まいづくりの旅のスケジュール』についての記事を書きました。
その中で土地探しについても触れていますが、少し補足の記事を書きたいと思います。
法律によって建てられる住まいは異なる
実際に土地を見る時って何を見ればよいのでしょうか。
面積?方角?インフラ?それとも周辺環境や景色に道路とのつながり?
それらはもちろん重要です。ですが、その他にも大事なことがあります。それは『どんな法律が適用されているのか』ということです。
「用途地域」という言葉を聞いたことがあるかと思います。これは敷地面積に対して何%までの面積・容積の建物が建てられるかを自治体が定めたもので、住居系では7つの用途地域が存在します。(この他にも工業専用地域以外ならば、法律上は住宅が建てられます)
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
- 準住居地域
土地いっぱいに建物は建たない
用途地域毎に建ぺい率や容積率が定められています。例えば建ぺい率が60%、容積率が200%などです。
建ぺい率が60%の土地の場合は、敷地面積に対して60%までの建築面積しか建てられないということ。そして容積率が200%の土地の場合は、敷地面積に対して200%までの床面積しか計画できないということ。
その他にも道路との関係で容積率が変化したりもします。防火地域で角地だったりすると建ぺい率にも変化があります。
それだけではありません。
用途地域には他に「高さの制限」も課せられています。単純に『何メートル以下にしなさいよ』という簡単な話ではないので、とっても厄介です。
つまり様々なの規制をクリアした三次元の立体の中にだけ住まいは建てることが出来ます。こうした条件は『重要事項説明』として土地の売買時に不動産業者から説明されることになってるものの、予備知識無しでは理解できないようなレベルです。
それに用途地域以外にも条例など、様々あり。
建築家や工務店と一緒に土地を見に行くケースが増えている
そこで最近増えているのが、建築家や工務店などと一緒に土地を見に行くケース。旗竿地や傾斜地というのは不動産価値が低いケースが多いのですが、不動産業者とは異なる視点から、その土地に建てられる住まいを想定して土地探しをサポートしてくれます。
たとえ傾斜地であっても、半地下部分をガレージ兼用の趣味室や仕事部屋にしたりとメリットはあるので、不動産価値が低い土地で快適に暮らせる土地を探すには、このようなスキルを持った専門家の助言を得ることが必須と言えますね。
建築条件付きには注意してください
みなさん一度は聞いたこと、或いは目にしたことがあると思います。この「建築条件付き」という制度、日本独自の宅地売買の仕組みです。
販売条件の中に「一定期間内に指定の建設会社(ハウスメーカーや工務店)で住まいを建てる」ということが決められている土地のことですね。
このような土地を購入した場合、指定の建設会社とプランの打ち合わせを始めて、通常は3ヶ月以内に建築請負契約を結んでしまいます。
その会社が用意した基本プランをベースに選択し、若干の変更を加えるといったケースが多く、半建売り住宅的な販売形態となっています。
他の工務店や建築家に依頼したい場合には、土地代に追加料金を払わないと建築条件を外してもらえませんので注意が必要です。
最後に
いかがでしたか。
都市部でない限り、通常の住宅の範囲であればそこまでシビアにならなくても良いですが、低層地域や傾斜地・道が低いなどの場合は注意が必要です。特に長崎は狭い道に面する土地が多いので、意外とギリギリな制限が課せられるケースがあります。
そして大切なことをひとつ。
インターネットの不動産情報には惑わされないようしましょう。写真や価格だけを見て「イイな」と思っても必ず現地を訪れ、わからなければ不動産業者ではない第三者へ見てもらったりと意見を求めるのも手です。
購入してしまったあとにご相談頂くこともありますが、実はご購入前に判断できたケースがほとんどです。アトリエカレラでも土地へのアドバイスを行っておりますので、もしそのような不安なケースがありましたら是非お気軽にお声掛けください。
みなさんが、よりよい土地に巡り会えますことを願っております。
建築設計事務所atelierKALLELA 柿山