みなさんこんにちは。アトリエカレラの柿山です。
ある企業様からのご依頼で改修工事のための現地調査に行ってまいりました。
70坪ほどある会場の改修工事ですが、長年に渡る使用によって老朽化した素材、そして変化し続ける時代背景が生む現社会との乖離、当時の設計の根本的志向は既に現代のスタイルには上手く機能しないという点、それらを見つけ出し出来るだけ現代にマッチングした改修を施したいと思っています。
現状を把握する
改修箇所は挙げればキリがありません。出来ることは限られていますから、より効果的だと思う箇所から上手くバランスをとりながら攻めていきます。
そのためには、現在の状況を把握しなくてはなりません。現在の状況を図面化し改修計画を図示していく必要があるからです。
そこで行うのが現地調査、いわゆる現調です。
まともな設計図は残っていないことが多い「改修計画」。例え残っていても図面通りに建物が建っているということは珍しく、ほとんど図面の通りの寸法、内容ではありません。建築ではミリ単位で計画・工事していきますが、「ミリ単位」で図面の寸法通りに出来ている建物なんてのはこの世に存在しません。
現状によって改修工事を進めていく以上、空間を全て計測器で測って記録していきます。
既存を利用するからこそ
現調には丸一日を要することもよくあります。 実際にはよくわからないところもありますから、完全とまではいかないにしても、この現調という作業を含むと改修工事というのは新築以上に手間が掛かります。今回はすっかり日が落ちてしまいました(笑)
リフォームやリノベーションは工事費が安く抑えられるというメリットがありますが、設計費となると若干の割高になることが多々あります。既存に合わせ、既存を利用するからこそ、問題点にぶち当たる確率も高くなります。改修の設計には都度柔軟に対応する能力も求められます。
しかし工事費に比べれば設計費そのものの割合は低いので、そこまでの大きなご負担にはなりませんのでご安心下さい。そのあたりは別の機会にご紹介します。
これから急ピッチで計画を練っていきます。
建築設計事務所atelierKALLELA 柿山