あまり建築現場の事など記事にする方ではないのですが、今回は僕が勉強になったなぁと思うことと、これから家づくりをお考えの方々にとって現場の雰囲気など参考になるかもしれないと思いましたので、難しい事は書かず簡単な言葉で記事にしてみようと思いました。
某日ある検査に出かけた時のことです。基礎の中の鉄筋がコンクリートで見えなくなる前に、鉄筋がきちんと入っているか事前に検査をします。その検査項目の中の一例をちょっとだけご紹介します。ベタ基礎の場合、スラブ(基礎で言う床のことです)に網の目のように鉄筋を敷いています。この鉄筋の大きさや種類、間隔は建物毎に異なるのですが、それらが基準の間隔できちんと入っていなくてはなりません。
検査時に間隔が空きすぎている箇所がありましたので指摘し是正をお願いします。他にも僕が指摘していた事が、たくさん多かったこともあるのかもしれませんが、職人の方に「こまけーな」と言われてしまいました。そのように言われる事も慣れているのであまり気にはしていませんが、監督さんや第三者機関の検査の後のことですから、私が指摘しなかったらどうなっていたのでしょう。イライラさせてしまいましたが、その場で直して頂きました。
「こんな細かく言われたことない」そうです。そこで僕は思いました。「じゃあ僕が、あなたの初めてになって差し上げましょう」と。笑
冗談はさておき、図面通りにいくわけない、施工誤差だ、このくらい大丈夫、そんな言葉も耳にしました。確かに施工誤差はあります。それはわかります。言うように些細なところで何か重要な事柄にまで発展はしないかもしれない、でも何かあったらどうするのでしょう。不備に気付いていたとしてもきっと、監理者が指摘しなかったからだと言うでしょう。
僕が勉強になったなぁと思ったことは、未だに各工種このような習慣が残っていて、至る所に「慣れ」が潜んでいるんだということです。職人さんはたくさんの現場を抱えていて日々、いろんなところで専門の仕事をされています。すると慣れが出てきて、あの現場では指摘されなかったから大丈夫、今までの経験でこれくらいは大丈夫、など慣れから来る「甘え」が顔を覗かせます。いろんな業種、仕事だけではない、生活のあらゆるところにこういった事は潜んでいるのですね。僕も「他人のふり見て…..」ではありませんが、とっても自戒の念を込めて記事にさせて頂きました。でも「慣れ」は悪いことばかりではなく、良いことの方が多いかも(?)しれないので、そこは適宜初心忘るべからずといったところでしょうか。
それにしても、僕は若い内からこうして仕事をしていましたので、若い頃はよく職人さん等にナメられてたなぁ(笑)と悔しがってた日々を思い出し、少し笑けてきました。注意するようお願いしても、見事にまっったく聞いてくれなかった事とかいろいろ….汗
それともう一つ。
僕が指摘した仕事は「監理」と言います。「監理」は大切です。日々お客様や業務に勉強させて頂きますが、とっても大変です。毎日現場を見られれば良いですがそういう訳にもいきませんから、尚更大変です。
そしてこの「監理」が「設計事務所」に設計を依頼するメリットの一つでもあります。これから家作りをお考えの皆様、任せっきりは時に危ない事もあり得ます。そこで僕らみたいな設計事務所がお役に立てる場合もございますから、ご相談先のひとつとして「設計事務所」を頭の片隅でも置いていて下されば幸いです。よろしくお願いします。
atelier KALLELA -kakiyama-